肥料と植え替えのタイミング

28385初めて投稿させていただきます。
去年の春頃に咲き終わったミディの胡蝶蘭を、なんとなく「乾いたら水をやる」を繰り返していたら花芽が二つ出ました。夏の間だけ活力液肥を一つ刺し、冬の間は窓際は避けて置いております。最近の我が家は20〜14度です。気になるのは、一つ目の花芽(花茎)がクリップにより少し傷ついていること、根が茶色っぽくなり枯れかけている?ことです。
①花を咲かせるためには、今の時期は肥料は与えず、引き続き「乾いたら水をあげる」を繰り返したら良いでしょうか?(ネットでは冬は休眠状態なので肥料は与えないと見ましたが、花芽がぐんぐん育っていても休眠状態なのでしょうか?)
②植え替えについて。購入時の鉢のままですが、底に穴が空いていないタイプです。底が空いているタイプに植え替えた方がいいでしょうか?それとも、体力温存のため今は控えた方がいいでしょうか?

user.png はな time.png 2024/01/07(Sun) 10:19 No.28385
【写真追加】
28386写真を追加させていただきます。
user_com.png はな time.png 2024/01/07(Sun) 10:20 No.28386
Re: 肥料と植え替え
花芽がのびているのに休眠状態というのが納得しにくいかもしれませんね。胡蝶蘭の多くは雨期と乾期のある熱帯亜熱帯で樹上に着生している植物です。温度も高く水分供給の盛んな雨期に葉を増やし(成長期)雨がほとんど降らないやや低温乾期に成長を止め(休眠期)花芽を伸ばし開花させます。
胡蝶蘭の肥料は雨に少しだけ溶け込んでいる薄い硝酸(窒素肥料)と樹皮を伝ってくる動物遺骸からのリン酸、植物遺骸からのカリ分だけです。これらは降雨によりもたらされるものなので雨期に見立てた春夏と秋口にしか施肥しないのはこのような事情によります。花芽が上がってから施肥しても直ちに害があることばかりではありませんが窒素が多すぎると花芽は髙芽に化けますし、根の活力が落ちる低温気に施肥すると根腐れのリスクが高くなるので、施肥しないのが原則です。花芽の伸長は成長ではありません。花芽は成長期の間に葉に蓄えた養分だけで賄います。

また「雨期」という言葉にも誤解される要因があります。雨期には毎日のように午後にスコールがあるのであって日本の梅雨時のように雨がずっと降り続くというものではありません。雨期でも根は湿りっぱなしではなく、雨が上がれば空気にさらされるのです。したがって、高温期にもアンプル剤を挿しっぱなしにするのは良くない習慣です。

底穴が無いのであればそれは鉢カバーですね。胡蝶蘭は底穴のあるビニルポットで成長したはずです。胡蝶蘭の根は空気を好みますから新根はどんどん鉢カバーからあふれ出し、通気の悪い状態になったポット内では根腐れが進行するのはごく当然のことです。せめて底穴のある鉢をビニルポットのカバーとして使ってください。空中に露出した根を無理やりポットに押し込まないでください。
花軸の途中が傷んでいますが、水分養分の供給は足りているようですから特段の処置は必要ありません。
user_com.png ひろし@小南部 time.png 2024/01/07(Sun) 19:08 No.28389
Re: 肥料と植え替え
28393早速ご丁寧にありがとうございます。胡蝶蘭の生い立ちからご説明いただき、理解が深まりました!ネットで見た「霧吹き」もした方がいいのかなと思っていましたが、「乾季」の今は控えた方が良さそうですね。肥料の挿しっぱなしもしないようにします!
また、おっしゃるようにビニルポットが中にありました。ビニルポット内で窮屈そうで、黒い(腐ってる?)部分もあり、胡蝶蘭に申し訳なくなりました。。根っこが外にたくさん出ているのも、元気だなあと呑気に喜んでおりました。
重ねての質問で大変恐縮なのですが、
今からでもこの胡蝶蘭にしてあげられることは他にあるでしょうか?根っこが黒くなっているのを見て心配になりました。花は咲かせなくても、元気でいてくれたらいいなと思います。
また、ビニルポットが窮屈そうなので、ビニルポットを切って取りはらい鉢に入れたくなったのですが、取らない方がいいでしょうか?

user_com.png はな time.png 2024/01/08(Mon) 17:34 No.28393
Re: 肥料と植え替え
乾期という言葉も誤解を招く恐れがありますね。雨期、乾期は単に降雨の多寡の問題であって、基本的に熱帯・亜熱帯の森林は年中湿度は高いのです。乾期になっても夜になると降雨は無くても霧が発生することはざらで、胡蝶蘭は霧から水分を得ます。冬でも葉と露出した根は霧による水滴で湿ります。ただし降雨の時とは違って肥料分は含まれず、ずぶ濡れになることはなく、翌朝には乾いてしまいます。
ですから乾期に見立てた冬の間も夜間湿度は60%以上は欲しいのです。多雪地帯の北陸地方なら陽光を補う必要があっても加湿はあまり気にしなくて良いのですが、空っ風の関東地方なら夜間湿度維持のために夕食後と就寝前の二度霧水を与えたほうが良いのです。
霧水を与える際に気をつけなければならないのは成長点のある葉と葉の間に水を溜めないことが肝心です。自生環境では樹上に着生する胡蝶蘭は横向きで葉を斜め下に垂らしますので、降雨があっても霧に濡れても葉と葉の間の成長点部分に水が溜まることはないのですが、鉢植えでは上向きに育てるので生長点部分に水が溜まりやすいのですが、これが成長点を腐らせる原因となります。
霧水は葉裏と露出した根に与えます。

ビニルポットの中は確かに状態が良くありませんが、生命活動の維持はポット外に露出した根で十分可能です。このまま春まで、水やりせずに霧水だけで表面だけが濡れる程度のまま植え替え適期の春まで待ってからのほうが良いと思います。それまでビニルポットを収める鉢カバー的な鉢は底穴があるものを使ってください。
user_com.png ひろし@小南部 time.png 2024/01/08(Mon) 19:33 No.28394
Re: 肥料と植え替え
早速にありがとうございます!
雨期と乾期も大変勉強になります。栄養の提供があるかどうかがポイントなのですね。両期の水分摂取の違いも分かりやすく勉強になります。
植え替えについてもありがとうございます。調べてれば調べるほど不安になってしまっていましまたが、まずは生命維持可能とのこと安心しました。霧吹きのタイミングや注意点も教えていただきありがとうございます。
まずは春まで大切に、気をつけながら霧吹きしようと思います。
user_com.png はな time.png 2024/01/08(Mon) 20:52 No.28395
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